日本遺産 飛騨匠の技・こころ - 木とともに、今に引き継ぐ1300年 -

29, 田上家住宅

川尻治助による大規模住宅

田上家当主田上太郎四郎が、日下部家住宅を造った川尻治助に依頼した農家建築で、明治15(1882)年に建てられました。完成までに12年の歳月を要したといわれます。

田上家住宅の写真その1
田上家住宅の写真その1

主屋は桁行12.5間(けん)、梁間7.5間(けん)と大規模。建物は木造二階建ての切妻造で平入であり、屋根は現在瓦葺きです。主屋正面は真壁のデザインを基調としつつも隅切り窓を入れ、近代の様式も取り入れています。

田上家住宅の写真その2
田上家住宅の写真その2

屋根と小庇がせり出し、屋根の軒は「せがい造り」。出桁を受ける腕木は、大工の稲尾三郎による「雲」と呼ばれる意匠の持ち送りが支えています。

田上家住宅の写真その3
田上家住宅の写真その3

土間では一尺角の大黒柱と、4間(けん)ものと呼ばれる松の巨木を使った豪快な梁に圧倒されます。本座敷には付書院を持った本式の床の間があり、黒漆塗りの床框や違い棚といったしつらえです。

田上家住宅の写真その4
田上家住宅の写真その4

町家建築である日下部家住宅と共通の意匠を取り入れ、贅を凝らした造りです。共に近世までの規制から解放されて、棟梁の技が光る近代民家建築の代表作です。

田上家住宅の写真その5
田上家住宅の写真その5

41の構成文化財